真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

周囲の人に支えられ 祝!学習院大学合格

2018/03/26

川口市芝中学校出身小暮くんが学習院大学に合格しました。

「担当になったのは高校1年生の終わりくらいからですかね。なかなか心を開いてくれない生徒で・・・心を開いてくれるまで時間がかかりましたよ」

 

そう話してくれたのは東光スイミングスクールの原沢剛コーチ。

3年間水泳部に所属し、普段の練習は当スイミングスクールで行っていた小暮悠雅くんのコーチです。原沢コーチはその心を開くために「小暮」と呼んでいたのを、ある日親しみを込めて「悠雅」と呼ぶようにし、コミュニケーションをとるようにしたと言います。そんな大人しい小暮くんですが、水泳の実力は個人で関東大会に出場し、リレーでインターハイに出場。またスイミングの大会(ジュニアオリンピック)でもリレーメンバーに選出されるほど。原沢コーチは言います「フリー(自由形)が専門の彼に、専門種目ではないバタフライで泳いでもらうことになったんです。あのチャレンジする姿勢に救われました」。また「彼は個人レースよりもリレーの時の方がタイムが速いんです。そうなると彼はチームの鍵になりますし、チーム全体をも良くします」と。そんなチーム愛が強い小暮くんは、後輩の面倒見が良いことでも知られ、本校の生徒でもある林太陽くん(1年)とも仲が良く、練習後のペアストレッチを一緒に行うこともあるそうです。「チームのために尽くす」精神を見受けられました。

「チームのことを考えて大事な局面で必ず力を発揮できる。そういう男」

そう話してくれたのが水泳部顧問の麻生先生。小暮くんについて聞いてみました。「小暮くんが800×4フリーリレーメンバーに選出されたのは彼が二年生の頃からでした。しかしタイムに少しムラがあり、送り出すときはいつもハラハラしていました。しかし三年生となり、顔つきが変わりました。きっと個人の200m自由形で関東大会出場を決めたこともあり、スピードに自信が持てたのでしょうね」「この時から彼には【リレーでは想像以上の力を発揮してくれる!】と期待をしていました。結果、関東大会の800×4フリーリレーでは彼の力のおかげで決勝に進出することができました」

麻生先生も原沢コーチと同じく小暮くんのチーム愛について感じていたようです。

「非常に落ち着いていて、無駄なことをしない生徒というのが第一印象ですね」

と話すのが、1年次と3年次に担任をした浅岡先生。

聞くところによると個別相談も担当したということで、高校入学前から知っていたそうです。「彼の成績は併願の基準をクリアしていたのですが、本人から武南で水泳をやりたいから、単願で行きますと聞いた時は驚きましたね。彼には選択肢がいっぱいある、そんな中で歴史と実績がある武南水泳部を第一に選んでくれたのは嬉しかったですね」と浅岡先生は言います。「個別相談時の印象はとても大人しく、謙虚。入学すると本性など出てくるのかな?」と思っていたようですが、その姿勢は入学式を迎え高校生活が始まっても変わらず、3年次になっても変わらず。中でも浅岡先生が感心したのが小暮くんのメリハリだったそうです。「練習でどんなに疲れていても、予習や復習などは欠かさず、学校での授業を重視していましたね。また3年生の夏を過ぎても、スイミングの大会があるため、練習をしていました。彼が不安にかられた時はその都度面談をしていました。日頃の蓄積があるから学習面は心配せず、最後まで泳いで悔いを残さないように とよく話をしていましたね」と振り返ります。水泳と勉強、その他の無駄なことはしないというメリハリもあってか、模試の成績は2学期に入るとぐんぐん上昇し、模試の志望校の判定は上がっていました。ただそんな冷静な小暮くんでも11月頃になってくると、日に日に焦りも出てきます。そんな時に心強い存在が一緒に勉強していたクラスメートでした。A組の生徒の大半は塾や予備校に通っていなくて、放課後みんなで学校に残って勉強していました。中でも過去の日本史の模擬試験を解いて実践力を付け、自分の偏差値がどれだけ上昇しているかをみんなで競い合う「日本史ダービー」の存在が大きかったそうです。「小暮君は日本史が非常に得意でしたので、そこで盤石なものにすれば、その分の時間を英語と国語の学習時間にまわすことができる」と考えていたようです。塾に通わずとも講習などを大事にする姿勢、周囲の友人と切磋琢磨する姿勢が合格に繋がったのかもしれませんね。

「これからの大学4年間は社会人になるための4年間でもあるので、水泳以外のこともしっかりやってほしい。水泳だけやっていればいいというものではない」

と新生活が間もなく始まる小暮君に励ましの言葉をかけてくれたのが、同スイミングスクールの今野護先生。

これまで水泳を通して得たものは多く、さらに水泳以外のことからも多くのことを学んでほしいという気持ちがしっかりと伝わってきました。今野先生の目には「目標を定めて今後の人生を歩んでほしい」という願いが込められていました。

小暮くんは3月27~30日に開催される第40回全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会に出場します。今野先生は「出場する以上はしっかり高校時代最後の花道を飾る気持ちで泳ぐように」とエールを送っていました。その言葉の裏には「競技は思い出作りではなく、貪欲に」という意味も込められているように感じました。

合格おめでとう!がんばれ、悠雅!!