真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

失敗から学ぶ

2017年08月21日

本日、登校日に朝礼が行われ、校長先生は次のようにお話をされました。

「40日以上あった夏休みもあと1週間ほどになりました。28日から開始する2学期は他の学校に比べて早いと思っていましたが、夏休みに訪問した中学のほとんどが28日から始めるとのことでした。授業時間確保のため、どの学校も頑張っていることがうかがえます。

さて、夏休みは計画通り進めることができたでしょうか。毎日早くから教室や自習室で勉強に励む生徒もいましたが、その一方で計画通りには行かなかった生徒もいたことでしょう。今日は主に、思い通りに進められなかった人に向けて話そうと思います。

3年ほど前の映画で「オール・ユー・ニード・イズ・キル」という、トム・クルーズ主演の作品があります。最初、気弱な兵士として戦争に出撃し、すぐに戦死してしまいます。しかしそのとき何故かタイムループをして、戦争前日に戻ります。何回も戦死をしては前日に戻ることを繰り返すうちに、死んでしまうポイントを全て避けて最終的に勝利を収めるのです。これはSFの話ですから、同じ体験を何度もやり直し、成長することができますが、現実ではこうはいきません。入試ではなく模擬試験であれば、失敗した経験をいかし、次に繋げることができますが、時間を戻すことはできません。

したがって、過ぎ去った時間を後悔しても仕方ありません。大事なのはこれからです。ではどうすれば良いか。

これは、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻漁港のアナゴ漁の名人である、大沢さんの話がヒントになります。アナゴ漁は昨日捕れた場所で今日も捕れるとは限りません。毎日違うところに仕掛けを作ります。大沢さんは、アナゴの捕れた場所のデータを20年以上も蓄積しました。これにより、名人になれたのです。

大沢さんは『アナゴが捕れて売れれば自分の財産になり、捕れなければこの時期この場所では捕れないという経験が財産になる』と言っています。失敗からも学び、学んだことをこつこつと積み重ねていくことが財産であり、これが大きな成果に繋がるのです。

夏休みをうまく過ごせた人は財産が増えました。さらに良いものを求めてください。うまく過ごせなかった人は何故失敗したのか考えましょう。このあとどうすれば良いのかを考えましょう。それが財産になります。成功からも失敗からも学んで経験を蓄積して下さい。この蓄積が文武創造の原料になるのです。是非そのことを考えながら、残り1週間の夏休み、頑張って下さい。」