真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

日本の論点 プレゼンテーション in English

2019/06/27

情報科の恵良先生の時間に、特進コース2年の生徒によるプレゼンテーションがありました。しかも、英語で…です。

今回の試みを、先生は、「日頃、パワーポイントの使い方を指導してきた中で、文科省の掲げる『探求』の先駆けとして、教科の枠を超えて何かできないかと思い、英語の先生に声をかけての実現にいたりました。」とおっしゃいます。

前日にベネッセ模試、1週間後に期末テストを控え、生徒たちにとって忙しい時期ではありましたが、言うべきこと、伝えたいことを、堂々と、英語で語る生徒たちの姿に、校長先生、教頭先生も、メモを取りながら最後まで見てくださいました。また、見に来てくれていた1年生たちにも、先輩たちの姿が、まぶしくみえたようでした。

 

英語を担当した武田先生は、今回のプレゼンの狙いを次のように語ります。

「『英語はツールに過ぎない』ってよく言われますが、それでは、どう英語と向き合っていくべきなのか?生徒達が実社会の動きをキャッチするきっかけとなり、自らの進路決定にも役立ち、しかも、英語を使って楽しい!と思えるプレゼン…をコンセプトに企画しました。

英語でプレゼンを行うにあたり、一番最初に、生徒たちに、TOYOTA自動車の豊田章男社長の新車スープラ発表会の動画をディクテーションさせました。これは、世界にも通用する日本の会社のTOPが、はたしてどのぐらいの英語力があるのかを知ってもらいたかったのと、豊田さんのプレゼンの中には、1分間に1回のペースでジョークも入ってて、その中には、ちょうど、CROWNの教科書でもあつかったばかりの、チャーリー・ブラウンを使ったジョークもあったので、聞き取りやすいし、生きた教材として最適だと思いました。まあ、自分が車好き…ということも大きいのですが…笑。」

「1月14日ラスベガスで行われた豊田社長のプレゼンは、こんな感じでした。

Back in the day...my old Supra and I spent countless hours together as I learned to become a master driver. But you can imagine the teasing and stares that I got from all the other manufacturers at Nurburgring...who were driving their beautiful new prototypes...while I'm out there driving what felt like the automotive equivalent of Charlie Brown's Christmas tree.

スヌーピーで有名な漫画の主人公がチャーリー・ブラウンなのですが、アメリカ人は、チャーリー・ブラウンの存在をどのようにみているのかといった文化的な側面を知った上でのジョークを使っていることに、豊田社長の英語力だけではない、文化も考慮したプレゼンの素晴らしさに…生徒たちも気づいたようでした。」

「一度、『トヨタ』ということを意識すると、その後、新聞に踊る、トヨタのニュースが気になる生徒もでてきます。授業で、しつこく、ひとつの会社のことを追いかけたりはしませんが…自動車産業に興味を持った生徒の中には

『トヨタ 子会社を別会社化へ』

『トヨタ 過去最高の収益』

『トヨタ 終身雇用制の維持は難しい』

この数か月の間に、こんな記事が彼らの目に飛び込んできたかもしれません。

中でも、日本で一番成功している企業の1つであるはずのトヨタでさえ、終身雇用は難しいというのは、大きなニュースにもなったので、NHKworldニュースでどのように伝えているか紹介し…

Toyoda said that for employers who have to preserve jobs and pay taxes, it is difficult to sustain lifetime employment unless more incentive is created for companies.

単語集で「維持する」を maitain と学習したばかりなので、現状維持の maintain ではなく、何かしないと存在そのものができないという sustain を使った記者の思惑まで伝えました。」 

「春休みには、生徒たちに『日本の論点』を読んで、各自が気に入ったこと、興味を持った記事を、まとめてくる宿題を出しました。それをもとに、チームを作り、各チームで選んだトピックを、ネットで調べたり、ビーソム先生にヒントをもらったりしながら、プレゼンをまとめ上げてきました。こういう時代なのでネットの翻訳機能に頼り過ぎてしまう生徒もいたので、こうも伝え、発表にまでなんとか漕ぎつけることができました。」

Keep it simple !

Add your sense of humor !

Do not memorize everything but try to pick out some key themes !

人前で発表する、しかも、英語で…。

生徒たちには、少し険しく難しいことをやらせてみましたが、そこから、各自が何を感じたのか?単純に、「課題が終わった~♪」で終わらせることなく、今回の経験を、どう次のステージで生かせるか?それが一番大きいことだと思っています。

発表でメモから目を離せなかった生徒は、次回、頑張ればいいし、発表は向いていないと思ったのなら、資料つくりやパワポ作りで個性を発揮すればいい。とにかく、やってみたことが大切!どう生かすかは生徒次第!経験を上手に生かせる人が、将来、創造力の発揮できる人になるもんじゃないのかな~。」

 

The best way to predict the future is to invent it.

ちょっとハードルの高いこともやってみて、自分をどう輝かせるかを見つける場所…

…それが学校かもしれませんね。