真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

2学期始業式

2017年08月28日

2学期が始まりました。始業式で校長先生は次のように話されました。

「今日から2学期が始まります。2学期は行事がたくさんあり、文武創造の実践の場が多くあります。『文』を『武』で鍛えることで、できるようにしたり使えるようにしたりするなど、形に表すチャンスです。また反対に、部活動などでは練習を、戦略を考え、集中力を鍛える。すなわち『武』を『文』で磨き、最高のパフォーマンスを可能にしていくときでもあります。切り替えを上手に行い、充実した2学期にして欲しいと思います。

さて、夏休みは教員も時間を作って研修をします。勉強しているのは皆さんだけではありません。教員も常にスキルアップを目指しているのです。これは教員に限った話ではなく、どんな職業であっても、勉強は必要です。私は8月に東大薬学部教授である、池谷裕二さんの講演を聴いてきました。

ネズミの迷路の実験では、初期のトレーニングでたくさん失敗をしたネズミの方が、早く最短コースを発見したとのことです。『失敗は成功のもと』が実験的に証明されたわけです。さらに同じ失敗をしたときでも、じっくり考えたネズミの方が早く学習することが分かりました。我々の世界でも同じで、言われたことを繰り返して同じ失敗を繰り返しているだけでは成長できません。楽をして身につくということはないのです。

別の話になりますが、下町ロケットのモデルとして有名になった、北海道、植松電気の社長である植松さんという人がいます。植松さんは『どうせ無理だから』と夢をあきらめてしまう人を無くそう、『どうせ無理』という言葉を無くそうと、北海道で宇宙開発事業に取り組んでいます。植松さんは『こんな田舎でもできるんだから、自分たちだってやればできるんじゃないだろうか』と考える人を増やそうとしているのです。

そんな植松さんが開発したロケットで、以前大きな失敗がありました。地上に戻ってくるときに使われるはずのパラシュートが故障し、時速700kmもの速さで発射台の近くのテントに突き刺さったそうです。幸いにも人員や観測機材は無事だったものの、植松さんのショックは相当でした。一時は開発を止めることまで考えましたが、あきらめず、失敗の原因を究明し、改善し、さらに失敗と挑戦を繰り返しました。その結果、開発技術は宇宙航空開発研究機構において、安全な実験機として採用されたとのことでした。

ネズミの例でも話しましたが、失敗の回数が多いということは、当然挑戦した回数が多いということです。そして『どうせ無理』と考えることなく、自分が楽をする方向に逃げないで挑戦し続けることは、とても重要です。

2学期は皆さんも挑戦すべきことはたくさんあります。失敗を恐れず、失敗からも学ぶことで大きく成長してください。」