真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

開校記念日

2020年05月13日

令和2年5月13日

開校記念日

武南高等学校長  本多 昇


 武南高校生の皆さんこんにちは、長い臨時休校 中ですが 、5月13日は武南 学園 の開校記念日です。今日は、武南 学園 の創立当初のことをお話し、皆さんとともに志を 新たにして、 この非常時を乗り切っていきたいと思います。

 武南学園20周年記念誌に「昭和36年当時は県内の公私立高校の飽和状態、県南中学の卒業生の多数は都内に流失する時代でありました。交通難や生徒指導の問題が続出し、当時の川口市長大野元美氏( 現 埼玉県知事大野元裕氏の祖父)はこれを看過しがたいと同憂の士に檄をとばし、公立に見られない特色ある私学創設に力をそそがれました。県南地区に特色ある私立高校を設立し、埼玉県の生徒は県内で教育をという考えのもと四国、関西方面の名門校を視察し将来、地域社会に役立つ有能な人材を育成する目的で設立された。」とあります。

 そして、武南 学園は、昭和38年(1963年)4月1日に高校生68名、中学生12名の入学式から始まりました。4月13日に校舎落成式、開校式典を行いましたので、開校記念日は1か月後の5月13日と定めました。川口市を中心とする多くの人たちの努力により生まれた学校です。建学の精神は次の七つ です。


一、自主 自立 自学 協同を本旨とする

一、民族的自覚のもとに国際人としての知性と感覚を身に着ける

一、家族 地域社会の一員としての自覚を深める

一、日々の学業の積み重ねによって実力を啓培する

一、個性や能力を伸ばし 勤労への積極 的態度を培う

一、明朗 清新な生活態度を保つ

一、スポーツに励み健康な心身を養う

 これらの建学の精神からも、 本校に対する大きな、そして幅広い期待が感じ取れます。 川口市の方々 が 中心 となり 県南地区に 特色ある私立高校 を 、地域社会に役立つ有能な人材を育成 したいという願いのもと武南学園は 設立されま した。
 では、この地区、川口・ 蕨 ・ 戸田に全日制の私立高校 は何校あるか と見てみると、武南高校だけなのです。人口から言えば、川口市 60 万 7 千人 蕨市 7 万 5 千人 戸田市 14 万 9 千人 合わせて 83 万 1 千人です。鳥取県 55 万 6 千人 島根県 67 万 4 千人 高知県 69 万 8 千人です。徳島、福井が 80 万人以下 です。 東京、埼玉に接している 山梨県が 81 万 2 千人ですから 県南地区とほぼ同じ人口です。 そこに 、 なぜ武南しかないのか考えてみましょう。荒川を渡ればすぐに東京都、伝統ある私立高校がたくさんあります。 交通の便がいいということ は 地元の生徒は都内にも通いやすい のです。 隣のさいたま市には私立高校がたくさんあります。さいたま市以北の生徒は、さいたま市内の私立 に 通いやすい のです 。人口や交通の利便性からいえば立地条件は良いのですが、実は 私立 高校を維持していくのが 大変難しい場所でもある のです。 その中で、 58 年目を迎える伝統校として 発展 できた のは 、 地域の力強い支援、 卒業生、教職員の努力があったからです 。 これからも今まで以上に 県南地区 の私立高校として 期待に 応えられる よう 頑張 りましょう 。 論語に「四十にして惑 は ず。五十にして天命を知る。六十にして耳 順(したが ふ 。」とあります。 ここで 5 8 年目を迎え た 武南高校の 「天命」 という 天から与えられた使命 を 再 確認したいと思います。 武南の 天命は、 一人一人の 生徒の 個性や能力を伸ばし 希望を叶え 、 社会に役立つ有能な人材 を育成する ことかと思います。 生徒 の皆さん の 夢 や希望 は様々です 。 難関大学に 進学 したい。グローバルリーダとして活躍したい。オリンピックに出場したい。 地域社会を活性化したい。 武南学園は 、 あと3年で60周年を迎えます。 「 六十にして耳順 」です。 皆さん 一人一人の 希望を聞き 、 「耳順」 の心構え でしっかり受け止め 、 生徒、 保護者、 教職員 が 一丸となり 夢を 叶えられる 学校 に していきましょう。
 さて、武南の開校記念日の翌日 5月14日は「種痘記念日」だそうです。1796年のこの日に、エドワード・ジェンナーが 天然痘の予防を目的とし世界で初めて種痘(天然痘ワクチン) の接種 を行ったことに由来してい ま す。日本で天然痘のワクチン接種がなくなったのは、1976年ですから、 事実上 180年間も 天然痘 根絶までに時間がかかったということになります。しかし、人類は飛躍的 に 進歩をしています。新型コロナウイルスに対するワクチンも治療 法 も比較的早く開発されることが期待できます。それまでの間 、 感染予防の徹底を図り 、 一日も早い教育活動の再開に向けて一緒に頑張っていきましょう。