真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

卒業式式辞

2021年03月02日

  式辞

 本日ここに、武南高等学校第五十六回卒業書授与式が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため簡略した形ですが、まずは、実施できますことを喜びとするところでございます。

改めまして第五十六期生の皆さん卒業おめでとうございます。また、今日まで支えていただきました保護者の皆様はじめ関係者各位に感謝と御礼を申し上げます。

特にこの日を待ち望んでいた保護者の皆様に晴れの姿をご覧いただくことができず誠に残念です。そこで、ただ今、呼名されました五一二名の皆さんに、お願いがあります。是非、自分自身のことばで卒業の喜びと感謝の気持ちをご家族に伝えてください。そして、武南学園からの祝意を伝えてください。

さて、今年度は、大学入学共通テストへの移行の年です。また、一年前の今日から、新型コロナウイルス感染拡大により、突然臨時休業となったことは、記憶に新しいことです。まさに変動と混乱の一年でした。

そしてこのコロナ禍から私たちは今まで経験したことない大きな影響を受けました。コロナ禍への対応のように初めてのことに適切に対応していくためには創造力が必要となります。すでに、武南高校は「文武創造」を掲げ、文は武で鍛え、武は文で磨き、文においても武においても自分しかできない「こと」「もの」を作り出す創造力を育てる教育を進めてまいりました。

本日は、卒業に際し皆さんが明るい未来を切り拓いていく力となる創造力に一層の磨きをかけるため、心がけてほしいことを二点お話しします。

一点目は、常に準備を怠らないことです。創造力、思考力、表現力など「力」という文字が付くものは、はじめから持っている人は誰もいません。また、自らの努力なしに他人から譲り受けることもできません。自らの行動・努力による練習、訓練という準備が必要です。準備の大切さは、ようやく始まった、新型コロナウイルスのワクチン接種からも分かります。接種したワクチンに対して自分自身の体が抗体をつくり免疫力を高めることで感染予防となり、感染したとしても軽症で済むことになるわけです。ワクチンは治療薬ではありませんから自分自身の免疫機能が発動し準備しなければ効果がないということです。これと同様に、自分自身の行動・努力という準備がなければ、遭遇する様々な課題を解決するために必要となる創造力は身につきませんし発揮できません。

狂犬病のワクチンを開発したルイ・パスツールは「発見のチャンスは、常に準備している人にのみ微笑む」と言っています。学んで行動して、また学ぶこれを繰り返す文武創造の実践を通じ十分な準備をしている者のみ、創造力が身につき新たな発見のチャンスが訪れるのです。

二点目は「ひとのせいにしない」ということです。今、コロナ禍で様々な、不便・不足・不自由を感じていることでしょう。不便・不足・不自由から不の文字を取り去る努力が新たな価値を創造することに繋がります。新たな価値を創造することは、AIにはできません。今は、人間しかできない新たな価値を創造する力を鍛える絶好の環境であると言えます。この中で、私たちは、直面した課題の解決が困難であればあるほど、解決できない理由をひとのせいにしたくなります。しかし、ひとのせいにしても誰も得するものはいないし、何も解決しません。課題解決に向け自分には何ができるかを考え、一歩でも前進させる行動が大切です。

ひとのせいにしないで自分のできることに地道に取り組むこと。「文武創造」で鍛えた創造力と社会性を生かし「凡事徹底」の精神で緻密で十分な準備。この二点を心がけることで、幸運の女神が皆さんに微笑み、様々なチャンスと大きな成功がもたらされるでしょう。

 母校、武南高校は、何か困ったことがあれば、いつでも相談できる場所です。そして、皆さんの幸せをともに喜べる場所です。何かうれしいことがあったら是非報告に来てください。うれしい報告と卒業生の明るい未来を祈念して式辞といたします。

 

 令和三年三月二日

                    武南高等学校校長 本多 昇